生化学検査
血液中に含まれている様々な化学分質の量を測定することで、健康状態や病気の程度を調べる検査です。
幅広い疾患の発見に役立つと言われています。
それぞれの要素だけではなく、複数の検査の組み合わせで診断します。調べる臓器によって検査項目が異なります。
下記の基準値は、検査方法や測定方法、測定機器、用いる試薬などにより値が異なりますので、絶対的なものではありません。
№
検査名 (略称名)
基準値 (単位)
説明
1
γグルタミントランスぺプチダーゼ (γ-GT γ-GTP)
16-73 (U/L)
胆汁の流れ(肝~胆道~腸)に障害を生じると増加します。また、アルコール多飲により増加します。
2
アスパラギン酸アミノ基転移酵素 (GOT AST)
基準値 8-38 (U/L)
ASTやALTは、炎症などによって体の細胞が壊れると血中に流出するため、増え方で障害の程度がわかります。AST(GOT)は、肝臓だけでなく、筋肉・赤血球にも含まれ、ALT(GPT)は主に肝臓に含まれている酵素です。
3
アラニンアミノトランスフェラーゼ (GPT ALT)
基準値 4-44 (U/L)
ASTやALTは、炎症などによって体の細胞が壊れると血中に流出するため、増え方で障害の程度がわかります。AST(GOT)は、肝臓だけでなく、筋肉・赤血球にも含まれ、ALT(GPT)は主に肝臓に含まれている酵素です。
4
クレアチンキナーゼ (CPK CK)
基準値 男:40-200 女:30-150 (U/L)
クレアチンキナーゼは筋肉に多量に存在する酵素で、筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たしています。そのため、筋肉に障害があると、血液中のクレアチンキナーゼは高値になります。特に急性心筋梗塞や進行性筋ジストロフィーでは著しく高い値になります。
5
乳酸脱水素酵素 (LDH)
基準値 106-211 (U/L)
体内の多くの細胞に存在する酵素で、細胞が壊れると血中に流出し、壊れる細胞が多いほど上昇します。
6
アルカリフォスファターゼ (ALP)
基準値 104-338 (U/L)
肝臓、胆道、骨、胎盤、小腸にある酵素で、これらの障害により上昇します。
7
アミラーゼ (AMYL AMY)
基準値 37-125 (U/L)
膵臓や唾液腺で作られる酵素です。主として、膵臓の炎症、膵管の異常などの膵疾患の診断に重要です。
8
ロイシンアミノペプチダーゼ (LAP)
基準値 19-69 (U/L)
LAPとはロイシンなどの蛋白質を分解する酵素で、健康な人では胆汁中に多く含まれます。胆汁は肝臓で生産され、胆のう、胆管を経て十二指腸に分泌されます。よって胆管などの胆道系が閉塞し、胆汁がうっ滞すると、血液中のLAPは高値になります。
9
リパーゼ (LIP)
基準値 10-160 (U/L)
リパーゼは脂肪を消化する酵素の一つで、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解します。分解されることで、食物中の中性脂肪は、腸管から吸収できるようになります。リパーゼは膵臓で作られ十二指腸乳頭部に運ばれます。この経路のどこかに異常が発生すると、血液中に漏れ出して、血液中の濃度が上昇します。
10
血糖「グルコース」 (GLU)
基準値 70-110 (mg/dl)
リパーゼは脂肪を消化する酵素の一つで、中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解します。分解されることで、食物中の中性脂肪は、腸管から吸収できるようになります。リパーゼは膵臓で作られ十二指腸乳頭部に運ばれます。この経路のどこかに異常が発生すると、血液中に漏れ出して、血液中の濃度が上昇します。
11
尿素窒素 (BUN)
基準値 8-23 (mg/dl)
尿素窒素・クレアチニンは、ともに体で使われた物質の老廃物で、普段は腎臓からろ過され排泄されています。これらは、腎臓機能評価の時に検査され、腎機能が悪化し、排泄されなくなると上昇してきます。
12
クレアチニン (CRE)
基準値 男:0.6-1.1 女:0.4-0.8 (mg/dl)
尿素窒素・クレアチニンは、ともに体で使われた物質の老廃物で、普段は腎臓からろ過され排泄されています。これらは、腎臓機能評価の時に検査され、腎機能が悪化し、排泄されなくなると上昇してきます。
13
尿酸 (UA)
基準値 男:4.0-7.0 女:3.0-5.5 (mg/dl)
核酸構成成分のプリン体が分解されてできた老廃物です。痛風や腎臓病,生活習慣病などの検査のため測定します。
14
総コレステロール (TCHO TC)
基準値 150-219 (mg/dl)
細胞膜の構成やホルモン生成に不可欠ですが、過多は動脈硬化や心筋梗塞など危険因子です。
15
中性脂肪 (TG)
基準値 50-149 (mg/dl)
血液中の脂肪の一種で、基準範囲を超えると動脈硬化や心臓病、脳卒中のリスクが高まることが知られています。
16
総ビリルビン (TBIL T-Bill)
基準値 0.1-1.2 (mg/dl)
黄疸(おうだん)の程度を測定します。肝臓や胆道に異常があると増加します。(赤血球が壊れて出てきたヘモグロビンが変化してできるものが間接ビリルビンで、それが肝臓で処理され直接ビリルビンに変化します。)
17
カルシウム (Ca)
基準値 8.4-10.2 (mg/dl)
カルシウムとリンは密接な関連があり、骨ミネラルの重要な構成成分です。代謝異常で値が変化します。
18
無機リン (IP)
基準値 2.6-4.4 (mg/dl)
カルシウムとリンは密接な関連があり、骨ミネラルの重要な構成成分です。代謝異常で値が変化します。
19
総タンパク (TP)
基準値 6.7-8.3 (g/dl)
血清蛋白の多くは肝臓で作られますが(血清蛋白の大部分を占めるアルブミンが肝臓で合成されるため)、その際にはアミノ酸をはじめとするいくつかの材料が必要になります。血清蛋白は栄養状態や健康状態をみるのに大変重要な検査です。
20
ナトリウム (Na)
基準値 136-149 (mEq/l)
主に食塩の形で摂取され、浸透圧の調節などをしている電解質です。体液水分量の平衡状態を推測できます。
21
カリウム (K)
基準値 3.8-5.0 (mEq/l)
神経の興奮や、からだや心臓の筋肉の働きを助け、生命活動の維持調節に重要な電解質です。
22
クロール (Cl)
基準値 98-106 (mEq/l)
クロールとは電解質成分のひとつで、血清中の陰イオンの約70%を占めます。通常、血液中のクロール濃度はナトリウム濃度と並行して変化します。しかし、その関係が崩れたときには酸・塩基平衡の異常を疑い、ナトリウムと同様の変化であれば水代謝異常を疑います。